AWS認定資格 無料問題集
解答・解説
第2問 ELB による冗長構成
Amazon EC2 インスタンスの負荷分散や耐障害性の向上を実現するために、ELB(Elastic Load Balancing)を利用した冗長構成とする場合、下記の選択肢の中でどのアーキテクチャ設計を採用するべきかを選択してください。
(問題ID:CLF203C002)
解答
正しい解答:D. マルチ AZ 構成
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徹底解説
Amazon EC2 インスタンスの負荷分散や耐障害性の向上を実現するために採用するべきアーキテクチャ構成は、マルチ AZ 構成です。AWS クラウドを利用すると、下図に示すように ELB(Elastic Load Balancing)を使用することにより、容易にマルチ AZ 構成とすることが可能です。同一リージョン内のアベイラビリティゾーン(AZ)間は、数 km から 100 km 以内になるよう立地が調整されており、高速で低遅延の冗長化されたネットワークで相互に接続されています。そのため、インスタンスを複数の AZ にまたがった冗長構成とすることで、高い耐障害性と負荷分散を実現することができます。また、マルチ AZ 構成とすることによって、可用性や耐障害性以外にもスケールアウトしやすいインフラ環境になるというメリットもあります。
AZ は、1つ以上のデータセンター群から構成される独立した管理単位であり、AWS のリソースを提供するサーバー等のインフラが設置されています。なお、AZ を構成するデータセンターの立地場所は公開されていません。
その他の選択肢は、インスタンスの負荷分散や耐障害性の向上を実現するために ELB を利用した冗長構成とするアーキテクチャ設計ではありません。マルチリージョンは、AWS のシステム構成のひとつで複数のリージョンにまたがってシステムを配置する方式ですが、本問題の趣旨を踏まえるとインスタンスの耐障害性の向上や負荷分散を実現するためであれば、以下の 2点より、マルチリージョン構成よりもマルチ AZ 構成のほうが適しています。①リージョン間は物理的な距離も遠く、AZ 間のような高速な通信回線が利用されないため、トラフィックの遅延が大きくなること。②複数のリージョンにシステムをそれぞれ配置する構成となるため、インスタンスの維持費や通信料が高くなること。ただし、対象システムに対する要件が耐障害性の向上や負荷分散だけでなく、災害対策も考慮する必要がある場合にはマルチリージョン構成を検討する必要がありますので、問題文をよく見ることが大切です。また、マイクロセグメンテーションはネットワークを複数の細かいセグメントに分割して構成するネットワーク・セキュリティ技術のひとつであり、エッジロケーションは AWS の AZ を構成するデータセンターとは別に用意されている高速・広帯域なネットワークロケーションのことです。Amazon CloudFront や Amazon Route 53 等がエッジロケーションで提供されるサービスであり、利用者から物理的に遠い位置に接続先がある場合でも通信遅延を低くすることができます。これらは Amazon EC2 インスタンスの冗長化とは関係ありません。

ちなみに...
ELB は、トラフィックをひとつまたは複数のアベイラビリティーゾーン内の複数のターゲットに対する負荷分散の機能を提供する、所謂、ロードバランシング・サービスです。
問題掲載日:2023-09-18
Information
What's New
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Reference Books
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