AWS認定資格 無料問題集

解答・解説

第46問 責任共有モデルにおける利用者側の責任(2)

 サービス提供者と利用者との責任を明確に分ける考え方とするAWS責任共有モデルにおいて、利用者側で責任をもつべき事項として定義されている項目を選択してください。

  1. PaaSにおけるオペレーティング・システムのパッチ管理
  2. ハイパーバイザー運用に関する操作ログの管理
  3. クラウド・サービス提供に対する事業継続性
  4. オンプレミス環境に設置した AWS Snowball Edge の物理アクセス [正しい解答]

(問題ID:CLF202C046)

解答

正しい解答:D. オンプレミス環境に設置した AWS Snowball Edge の物理アクセス

△ 判定不能

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徹底解説

 AWSの責任共有モデルにおいて、利用者側で責任をもつべき事項として定義されている項目は、「オンプレミス環境に設置した AWS Snowball Edge の物理アクセス」 です。AWS責任共有モデルは、AWSが提供するクラウド・サービスにおいて、AWSが責任を持つ範囲と利用者が責任を持つ範囲を明確に分ける考え方です。下図の通り、インフラストラクチャ層(クラウドのセキュリティ)と利用者層(クラウド内のセキュリティ)のそれぞれに適用されるべき責任範囲が定義されています。主に設備や物理基盤の管理をサービス提供者側のAWSが担当して、その AWSサービスの仕様・制限の範囲内で、利用者は提供されたリソースを責任を持って管理する必要があります。例えば、AWSクラウドを利用する上で、仮想サーバーのオペレーティング・システム(OS:Oparating System)管理(更新やセキュリティパッチの適用を含む)、アプリケーション・ソフトウェアの管理、適切なネットワークの設計・設定やトラフィック管理(セキュリティグループやネットワークACLの設定を含む)を行うことは、利用者側の責任範囲となります。AWS Snowball Edge では、AWSのストレージ・アプライアンスを利用者のオンプレミス環境に送付して、ローカルでのデータ転送を行った後に AWS に物理的に移送します。このアプライアンスを利用者の拠点に設置している間は、利用者はその物理アクセスに対して責任を負わなくてはなりません。クラウド・サービスとはいえ、物理的に利用者の拠点に設置されるデバイスは、その管理責任が利用者にあるということは、直感的にも理解しやすいでしょう。AWS Snowball Edge のようなデバイスを扱う際には、設置場所での物理アクセス制御やセキュリティ対策を利用者自身がしっかりと講じる必要があることに注意しましょう。


 その他の選択肢は、いずれも、インフラストラクチャ層の対策・対応であり、クラウド自体のセキュリティを担当するAWS側の責任範囲です。PaaSにおけるOSのパッチ管理は、インフラストラクチャ層の対応作業です。例えば、Amazon RDS が稼働するOSのパッチ管理はAWS側の役割ですね。ただし、Amazon EC2 のようなIaaSサービスでは、OSのパッチ管理は、利用者の責任範囲となりますので、間違えないように注意しましょう。また、ハイパーバイザー運用に関する操作ログの管理も、インフラストラクチャ層の対応作業です。そもそも、利用者がハイパーバイザーの操作ログにアクセスすることはできません。同様に、クラウド・サービス提供に対する事業継続性も、クラウド自体の運用管理を担当するAWS側の責任範囲です。設備や物理基盤の管理だけでなく、その運用要員の配置や教育、非常時の対応方針などを含めた事業継続計画を策定して、マネジメントしていくことがAWS側に求められます。もちろん、利用者も自社業務の継続性を検討する必要はありますが、クラウド・サービス提供に関することはAWS側の責任範囲です。

ココがポイント
 特に言及がされていない場合は、IaaSの利用を想定した責任範囲を解答しましょう。なお、IaaSの利用前提であるか、PaaSのようなマネージド型のサービスの利用前提であるかによって、責任範囲は異なりますので、ご注意ください。

問題掲載日:2024-05-06


Information

What's New

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  • 2025/8/12 問題ID: CLF202C046 責任共有モデルにおける利用者側の責任に関する問題を加筆・修正しました。
  • 2025/8/12 問題ID: CLF202C028 責任共有モデルにおける利用者側の責任に関する問題を加筆・修正しました。
  • 2025/8/10 問題ID: CLF202C012 アプリケーションの認証機能を提供するサービスに関する問題を加筆・修正しました。

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