AWS認定資格 無料問題集

解答・解説

第51問 クラウド移行後に不要となるコスト要素

 ある企業が、自社のデータセンターで運用していた業務システムをAWSクラウドに移行しました。移行後、この企業がもはや支払う必要がなくなる最も適切なコスト要素を選択してください。

  1. ネットワーク帯域と通信トラフィックの利用コスト
  2. システムのモニタリングと運用サポートの利用コスト
  3. データ転送処理とストレージの運用コスト
  4. インフラの導入とデータセンターの設備コスト [正しい解答]

(問題ID:CLF201C051)

解答

正しい解答:D. インフラの導入とデータセンターの設備コスト

△ 判定不能

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徹底解説

 自社のデータセンターで運用していたオンプレミス環境のシステムに掛かっていたコストの中で、AWSクラウドに移行した後には支払う必要がなくなるものは、「インフラの導入とデータセンターの設備コスト」 です。従来はサーバーやストレージ、ネットワーク機器の購入と、それらを設置・運用するための物理施設の維持にコストが必要でしたが、AWSではこれらのインフラをクラウド・サービスとして提供しており、利用者は必要な分だけを従量課金で支払う形でサービスを利用することになります。ただし、クラウド移行後も Amazon EC2インスタンスの利用料やデータ転送、ストレージ(データの蓄積)、モニタリング、セキュリティ対策、サポートなどの費用は発生するため、クラウド特有のコスト構造を理解して、適切に管理することが重要です。企業がオンプレミス環境からクラウド環境に移行することで、設備投資(CapEx:Capital Expenditures)から 経常費用(OpEx:Operating Expenses)に支出の性質を変えることができるという点を理解しておきましょう。これを理解しておけば、選択肢から正答を見つけることはそれほど難しくありません。
 その他の選択肢は、AWSクラウドに移行した後も引き続き発生するコストです。「ネットワーク帯域と通信トラフィックの利用コスト」 について、特にインターネットへのアウトバウンド通信(外部へのデータ送信)には料金がかかるため、クラウド環境でも通信トラフィックの利用量に応じた課金が行われます。オンプレミス環境では自社回線の契約に基づく固定費が中心であったことに対して、AWSでは使用量に応じた変動費となるため、コストが不要になるわけではありません。
 「システムのモニタリングと運用サポートの利用コスト」 も、クラウド移行後に継続して必要となる支出です。AWSでは、Amazon CloudWatch などのサービスを使用してリソースの状態やパフォーマンスを監視することが一般的であり、基本的なメトリクスには無料枠があるものの、詳細な監視やログの保存、アラームの設定などには追加料金が発生します。また、AWSサポートプランを契約している場合は、その利用料も別途必要となります。
 また、「データ転送処理とストレージの運用コスト」 は、クラウド環境におけるシステム運用においては避けられないコストとなります。Amazon S3 や Amazon EBS などのストレージ・サービスは、保存容量やアクセス頻度に応じて課金されますし、データ転送についても、転送の方向や対象リージョンによって異なる料金体系が適用されますが、コストは発生することになります。

Step Up!
 設備投資は、資本的支出とも呼ばれており、例えば、自社でサーバールームを構築するための建設費、物理的なサーバーやネットワーク機器の購入費用など、企業が長期的な資産を取得・整備するために必要な費用です。一方、経常費用は、運用的支出とも呼ばれており、AWSのクラウド利用の場合、Amazon EC2 インスタンスの利用料、ストレージや通信にかかる従量課金、クラウド監視や保守の外部委託費など、企業がサービスを使った分だけ支払う、日常的な運用にかかる費用のことです。

問題掲載日:2025-11-03


Information

What's New

  • 2025/11/3 問題ID: CLF201C051 クラウド移行後に不要となるコスト要素に関する問題を追加しました。
  • 2025/11/2 問題ID: CLF203C027 SQLクエリーを利用した処理を実施するDBサービスに関する問題を加筆・修正しました。
  • 2025/11/1 問題ID: CLF201C044 データ移行サービスの最適なデバイス選定に関する問題を加筆・修正しました。
  • 2025/10/26 問題ID: CLF202C067 AWSリソース証跡の収集と評価レポートの自動化に関する問題を追加しました。
  • 2025/10/26 問題ID: CLF201C026 データ変換を伴うデータ移行サービスに関する問題を加筆・修正しました。

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