AWS認定資格 無料問題集

解答・解説

第47問 モダナイズを伴う最適なクラウド移行手法

 あなたの会社では、現在、オンプレミス環境で運用しているモノリシックなレガシーアプリケーションを AWSクラウドに移行して、マイクロサービス化によってモダナイズすることを検討しています。この場合に、最適な移行手法を選択してください。

  1. リロケート(Relocate)
  2. リファクタ(Refactor) [正しい解答]
  3. リホスト(Rehost)
  4. リテイン(Retain)

(問題ID:CLF201C047)

解答

正しい解答:B. リファクタ(Refactor)

△ 判定不能

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徹底解説

 オンプレミス環境で運用しているモノリシックなレガシーアプリケーションを AWSクラウドに移行して、マイクロサービス化する際の最適な移行手法は、「リファクタ(Refactor)」 です。リファクタは、アプリケーションをクラウドに最適化するために、アプリケーションの一部または全体を再設計してAWSクラウドに移行する手法です。クラウドの拡張性や可用性を活用することで、移行後は運用・保守コストの削減が期待できます。本問題では、AWSクラウドに移行する際に、モノリシックなレガシーアプリケーションをそのまま流用するのではなく、マイクロサービス化して実装することを検討しています。そのため、既存アプリケーションのアーキテクチャを再構成してクラウドに移行することが求められるようなユースケースを示しています。このような移行手法は、リファクタ(あるいは、リファクタリング)またはリアーキテクトと呼ばれるものであり、本問題では選択肢にあるリファクタが正解となります。リアーキテクト(Rearchitecture)は、既存のソフトウェア・システムのアーキテクチャを根本的に見直して、再設計する手法です。広義にはリファクタの一種とする考え方もあり、外部から見た振る舞いに影響を与えずにシステムを改善する点は共通しています。狭義には、リファクタがクラス単位などの比較的小規模に行われるのに対して、リアーキテクトはモジュール単位やコンポーネント単位といったより大きな構造に対して適用される点が異なります。ご参考までに、リファクタを含むAWSの移行戦略のフレームワークである7Rを下表に示します。

 その他の選択肢もクラウド移行戦略のひとつではありますが、マイクロ・サービス化によってモダナイズする際の最適な移行手法ではありません。リロケート(Relocate)は、既存の環境を変更することなくAWSクラウドに移行する手法です。具体的には、オンプレミス環境で稼働しているVmwareの仮想環境を VMware Cloud on AWS に移行するようなケースです。クラウドネイティブな最適化はされませんが、アプリケーションの再設計が不要なため、短期間でクラウド移行が可能です。リホスト(Rehost)は、既存のアプリケーションや OS は変更しないで AWS クラウドに移行する手法です。リフト&シフトとも呼ばれ、例えば、オンプレミス環境の仮想 OS を Amazon EC2 インスタンスに移行するケースです。こちらも同様に、クラウドネイティブな最適化はされませんが、アプリケーションの再設計が不要なため、短期間でクラウド移行が可能です。また、リテイン(Retain)は、既存のオンプレミス環境や特定のシステムを維持して、クラウド移行を実施しない戦略です。セキュリティやコンプライアンス、他システムとの依存関係、移行によるビジネス価値がない場合に選択されるものです。

ココがポイント
 AWS 規範ガイダンスでは、移行手法の説明としては、「リファクタリングまたはリアーキテクト」 とまとめた記載となっています。解説に記載した手法の定義を踏まえると、むしろ、リアーキテクトのほうがより正しい解答のようにも思われますが、試験では出題された選択肢の中で最も正しいと思われるものを選ぶようにしましょう。なお、その他の移行手法も含めた移行アプローチについては、上表の他、AWS規範ガイダンスも参照ください。

移行戦略について - AWS 規範ガイダンス:
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/prescriptive-guidance/latest/large-migration-guide/migration-strategies.html

問題掲載日:2025-06-21


Information

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