AWS認定資格 無料問題集
解答・解説
第1問 自動応答AIシステムの情報漏洩対策
ある企業は、生成AIモデルを容易に利用できる Amazon Bedrock を活用して顧客データに基づくAIモデルを開発しました。このモデルでは、顧客からの問い合わせに対して自動的に応答を生成しますが、その応答に機密情報が含まれる可能性があるため、情報漏洩のリスクが懸念されています。企業は、データのプライバシーを確保して、機密情報が外部に漏れないようにしたいと考えています。この目標を達成するための最適な方法を選択してください。
(問題ID:AIF205C001)
解答
正しい解答:D. Amazon Bedrock のガードレール機能を利用して、モデルの応答から機密情報をマスキングする。
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徹底解説
Amazon Bedrock を活用して開発した生成AI(Generative AI)モデルによる自動応答に機密情報が含まれるリスクに対応するためには、「Amazon Bedrock のガードレール機能(Guardrails for Amazon Bedrock)を利用して、モデルの応答から機密情報をマスキングする」 ことが最適です。Amazon Bedrock は、テキスト生成や画像生成などのAIモデルを開発者が手軽に利用して、アプリケーションに組み込めるように設計されたマネージド型の生成AIサービスです。開発者が人工知能(AI:Artificial Intelligence)の専門的な知識を持っていなくても、必要なAI機能を自身のアプリケーションで容易に活用することが可能です。そして、Amazon Bedrock のガードレール(Guardrails)は、モデルの入出力から機密情報や不適切なコンテンツを検出して、フィルタリングするための保護機能です。この機能を利用することで、モデルが生成する応答から機密情報を効果的にマスキングして、データのプライバシーを保護することができます。具体的な仕組みとしては、コンテンツフィルター(Content Filters)や、拒否されたトピック(Denied Topics)、ワードフィルター(Word Filters)、機密情報フィルター(Sensitive Information Filters)といったフィルタリング機能によって、ガードレールを実装しています。これらの機能の中のコンテンツフィルターのイメージを下図に示します。

その他の選択肢は、Amazon Bedrock て開発したAIモデルの自動応答に機密情報が含まれるリスクへの対策としては適切ではありません。「Amazon SageMaker を使用してモデルの再トレーニングを行うことにより、機密情報を取り除く」 について、Amazon SageMaker は、機械学習(ML:Machine Learning)モデルを迅速に構築して、学習するためのモジュールが用意されたマネージド型のサービスであり、MLプロジェクトの課題を解決するための環境を起動・活用する多くのツールを提供しています。これにより、モデルの精度や応答品質を向上させることは可能ですが、既に生成された応答から機密情報を除去する目的には適していません。モデルが学習データに含まれる機密情報を記憶してしまう可能性があるため、再トレーニングだけでは生成内容の制御は不十分です。
「機密情報の漏洩を防ぐため、生成AIモデルの応答を暗号化してセキュリティを強化する」 ことは、通信や保存の安全性を高める補助的な手段としては有効ですが、モデル応答に機密情報が含まれること自体を防ぐことはできません。暗号化は情報の流出を防ぐ手段ではなく、情報が漏洩した際にその内容を第三者に理解されないようにするものだからです。したがって、暗号化は機密情報がモデルの応答に含まれないようにすること自体の解決策にはなりません。
「Amazon Comprehend を用いて自動言語処理を強化して、応答に含まれる機密情報を除去する」 について、Amazon Comprehend は、自然言語で記載された文章や記録などの構造化されていないテキストの情報から意味のある情報を抽出する機能を豊富に持つ自然言語処理(NLP:Natural Language Processing)サービスです。NLP は人間が日常的に使っている自然言語をコンピュータに処理させる一連の技術であり、Amazon Comprehend を利用することにより、読み取った文書から特定の情報を抽出したり、そのテキストの内容から自動的に分類することができます。しかしながら、本サービスは、テキストの分析を目的としており、Amazon Bedrock と連携して、機密情報を特定・除去するものではありません。
ちなみに...
コンテンツフィルターでは、Hate(人種、性別、宗教などに基づく憎悪的表現)、Insults(侮辱、軽蔑などの攻撃的表現)、Sexual(性的な表現、身体的特徴に関する記述)、Violence(肉体的苦痛、脅迫、暴力的描写)、Misconduct(犯罪行為、搾取、組織への危害など)、Prompt Attack(プロンプトインジェクション、ジェイルブレイクなどの攻撃的操作)の6つのカテゴリー毎にフィルターの強度(ブロックレベル)を指定することができます。また、各カテゴリに対して、None(なし)、Low(低)、Medium(中)、High(高)の4段階のフィルター強度を設定できます。
問題掲載日:2025-08-31
Information
What's New
- 2025/9/4 問題ID: AIF201C003 機械学習における特徴量エンジニアリングの目的に関する問題を加筆・修正しました。
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- 2025/9/1 問題ID: AIF201C008 農作物の収穫最大化に向けた人工知能の技術の応用に関する問題を追加しました。
- 2025/8/31 AI Practitioner の問題を 30問 追加しました。
Reference Books
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