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解答・解説

第14問 人間のフィードバックによるAIシステムの改善アプローチ

 ある教育機関では、Amazon Bedrock を活用して、学生の自由記述式解答を自動評価するAIシステムを開発しています。このシステムは、学生の解答を適切に評価して、学習の質と効率を高めることを目指しています。そのため、開発チームはモデルが人間の評価基準に近い判断ができるように、教師の採点結果を活用してモデルを改善したいと考えています。この要件を満たすための最も適切なアプローチを選択してください。

  1. 教師の評価コメントを分類モデルで処理して、スコアリングに変換する。
  2. 教師のフィードバックを活用した強化学習のプロセスを実施する。 [正しい解答]
  3. トレーニングデータセットを追加して、教師あり学習を継続する。
  4. 教師の採点結果を用いて、モデルのハイパーパラメーターを調整する。

(問題ID:AIF203C014)

解答

正しい解答:B. 教師のフィードバックを活用した強化学習のプロセスを実施する。

△ 判定不能

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徹底解説

 人工知能(AI:Artificial Intelligence)システムが、人間の評価基準に近い判断ができるように、教師の採点結果を活用してモデルを改善したい場合の最も適切なアプローチは、「教師のフィードバックを活用した強化学習のプロセスを実施する」 ことです。この選択肢における教師とは、本問題のユースケースにおける教育機関の 「先生」 のことであり、「教師あり学習」 などの 「教師」 のことではないのでご注意ください。さて、この手法は、人間(ここでは教師)の判断をモデルの学習に取り入れることで、出力の品質を高めることを目的とした強化学習の一種であり、人間のフィードバックを活用した強化学習(RLHF:Reinforcement Learning from Human Feedback)と呼ばれています。RLHFは、モデルが生成した応答に対して、人間が評価を加えて、その評価結果をもとにモデルを再学習させることで、より望ましい応答となるように調整するものです。大規模言語モデル(LLM:Large Language Model)のトレーニングにおいて、応答の正確さや自然さを高めるためには特に有効なアプローチです。従来の機械学習(ML:Machine Learning)では、大量のラベル付きデータを用いてモデルを学習させることが一般的でしたが、RLHFでは人間による評価を直接活用することで、より自然で文脈に合った応答が可能となります。具体的には、モデルの出力に対して、良い応答か望ましくない応答かといったランク付けを人間が行って、その情報を報酬としてモデルに与えることで、応答出力の質を継続的に改善していくようなイメージです。


 その他の選択肢は、RLHFのように人間の判断を活用して、モデルの挙動を調整するという今回の目的には合致しないため、適切なアプローチとは言えません。「教師の評価コメントを分類モデルで処理して、スコアリングに変換する」 ことについて、教師のコメントを分類して数値化する処理に焦点を当てていますが、モデルの出力品質を改善するための再学習プロセスは含まれていません。また、「トレーニングデータセットを追加して、教師あり学習を継続する」 ことについて、教師あり学習は、ラベル付きデータを用いてモデルを学習させる一般的な手法です。しかしながら、この方法ではモデルの応答出力に対する人間の評価を直接活用することはできません。そして、「教師の採点結果を用いて、モデルのハイパーパラメーターを調整する」 ことについて、ハイパーパラメーターの調整は、モデルの学習効率や汎化性能を最適化するための技術ですが、出力の品質を人間の評価基準に近づけるための直接的な手段ではありません。

問題掲載日:2025-11-08


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