AWS認定資格 無料問題集

解答・解説

第10問 温度パラメーターがモデルの応答に与える影響

 ある企業では、生成AIを活用した文章生成アプリケーションの開発を進めており、開発チームは大規模言語モデルを用いて、推論時のパラメータ設定を調整しています。このようなモデルにおいて、温度パラメーターを低く設定した場合の影響を正しく説明しているものを選択して下さい。

  1. モデルの出力は予測可能で一貫性が高まり、高確率の選択肢が優先される。 [正しい解答]
  2. モデルによる出力結果の生成速度は全体的に速くなるが、誤解答が多くなる。
  3. モデルは新しいアイデアを積極的に組み込み、出力の多様性を最大化する。
  4. モデルによる出力結果の品質をより高くできる反面、回答速度は遅くなる。

(問題ID:AIF203C010)

解答

正しい解答:A. モデルの出力は予測可能で一貫性が高まり、高確率の選択肢が優先される。

△ 判定不能

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徹底解説

 大規模言語モデル(LLM:Large Language Model)において、温度パラメーターを低く設定した場合の影響を正しく説明しているものは、「モデルの出力は予測可能で一貫性が高まり、高確率の選択肢が優先される」 です。LLMとは、膨大なテキストデータを使って事前に学習された、言語を理解・生成するための人工知能(AI:Artificial Intelligence)モデルのことです。温度パラメーター(temperature)は、LLMの推論時に使用される設定項目であり、モデルが次の語句や文を選ぶ際のランダム性や多様性(出力の幅)を制御するために使われます。温度の値が低いほど、モデルは確率的に最も高い(=ありそうな)単語を優先して選び、応答は安定して予測しやすいものになります。一方で、温度を高く設定すると、確率が多少低い語句も積極的に選ばれるようになるため、生成される文章の多様性が増して、より創造的で予測しづらい内容になる傾向があります。例えば、カスタマーサポートでは正確で一貫性のある回答が重視されるため温度を低く設定することが望ましく、広告や物語のように自由な発想が求められる場面では温度を高く設定することで効果的に活用できます。

 その他の選択肢は、温度パラメーターを低く設定した場合の影響としては、誤った説明となっています。「モデルによる出力結果の生成速度は全体的に速くなるが、誤解答が多くなる」 の記載について、温度パラメーターは出力の選択確率に影響するものであり、生成速度や誤答率に直接的には関係しません。むしろ温度を高くしたほうがランダム性が増して、文脈や意図から外れた単語を選ぶ可能性が高まるため、結果として誤答が生じるリスクが高まります。また、「モデルは新しいアイデアを積極的に組み込み、出力の多様性を最大化する」 のも温度を高く設定した場合の特徴です。温度が低く設定すると、創造性や多様性は抑えられて、創造的な表現の幅は狭まり、出力はより定型的かつ安定した傾向を示します。「モデルによる出力結果の品質をより高くできる反面、回答速度は遅くなる」 の記載について、温度の設定は品質や速度のトレードオフとは無関係です。品質の高さはモデル設計や学習データの質に依存しますが、温度を低く設定しても応答速度には直接的な影響はありません。

ちなみに...
 温度パラメーターは、まさにLLMが文章生成に使われる際の性格を決める鍵ともいえる設定であり、AWS Certified AI Practitioner 試験でも基礎知識として問われる重要な項目です。

問題掲載日:2025-09-05


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