AWS認定資格 無料問題集

解答・解説

第3問 カスタマーサポートにおけるLLMのファインチューニング手法

 ある企業が、カスタマーサポートの効率を上げるために、大規模言語モデルを顧客対応に役立てたいと考えています。例えば、顧客のメールから感情分析をしたり、チャットのやり取りを要約することで迅速な解答を提供することが目指されています。この状況で、ファインチューニングで行うプロセスや手法を最もよく表しているものを選択してください。

  1. 既に学習済みの言語モデルを全面的に再構築するために、多段階の調整と検証作業を含む綿密なプロセスを指します。
  2. 事前トレーニングされた言語モデルに入力する前に、顧客対応のデータを前処理してクリーンアップするための手法です。
  3. 顧客対応の特定タスクのためにラベル付けされたデータを使用して、事前学習済みの言語モデルをさらにトレーニングするプロセスです。 [正しい解答]
  4. 事前学習済みの言語モデルと顧客対応向けモデルを組み合わせ、全体的な性能を向上させるアンサンブル手法です。

(問題ID:AIF203C003)

解答

正しい解答:C. 顧客対応の特定タスクのためにラベル付けされたデータを使用して、事前学習済みの言語モデルをさらにトレーニングするプロセスです。

△ 判定不能

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徹底解説

 カスタマーサポート業務の効率化を目的に、大規模言語モデル(LLM:Large Language Model)を活用する場合、ファインチューニングのプロセスを表す説明として最も適切なものは、「顧客対応の特定タスクのためにラベル付けされたデータを使用して、事前学習済みの言語モデルをさらにトレーニングするプロセス」 です。ファインチューニングは、事前に学習されたLLMに対して、特定の業務やタスクに関連するラベル付きデータを用いて追加学習を行うことにより、対象のモデルを目的のタスクに適応させるプロセスです。例えば、顧客のメールやチャット履歴を使って、感情分析や要約の能力を高めることができます。これにより、カスタマーサポートの効率が向上して、より迅速かつ的確な対応が可能となります。この手法は、既存の言語モデルを再利用し、短期間で業務に適した成果を得られる点が特徴です。ファインチューニングは、データの前処理や複数モデルを統合(アンサンブル)する手法とは異なり、モデル内部のパラメーターを調整して、特定のタスクへの適応力を高める技術です。本問題の企業ニーズにおいては、ラベル付きデータを用いたタスク特化型のファインチューニングにより、汎用的な言語モデルを高精度に顧客対応業務へ適用することが可能となると考えられます。
 その他の選択肢は、ファインチューニングのプロセスを表す適切な説明ではありません。「既に学習済みの言語モデルを全面的に再構築するために、多段階の調整と検証作業を含む綿密なプロセスを指します」 は、ファインチューニングのプロセスを表す適切な説明ではありません。既存のモデルを全面的に再構築することは、ファインチューニングの範囲を超えた再学習や事前学習の概念に近く、本設問の意図にはそぐいません。ファインチューニングでは、モデルの基盤構造を維持しつつ、限られたパラメータを目的に応じて効果的に調整する点がポイントです。
 「事前トレーニングされた言語モデルに入力する前に、顧客対応のデータを前処理してクリーンアップするための手法です」 は、ファインチューニングのプロセスを表す適切な説明ではありません。データの前処理は、ファインチューニングの前段階として重要ですが、それ自体がファインチューニングではありません。モデルを調整・最適化する工程とは区別して考える必要があります。
 「事前学習済みの言語モデルと顧客対応向けモデルを組み合わせ、全体的な性能を向上させるアンサンブル手法です」 は、ファインチューニングのプロセスを表す適切な説明ではありません。アンサンブル手法は別の機械学習手法であり、複数モデルを組み合わせることで性能を高めることが目的です。ファインチューニングは1つのモデルに対して行われるトレーニングのことで、アンサンブルとは異なります。

ココがポイント
 「カスタマーサポートの効率」 とか 「感情分析」 などのように、仰々しく問題文が記載されていますが、問われているのは、ファインチューニングの定義は何かということだけです。落ち着いて解答することができれば、問題ないでしょう。

問題掲載日:2025-08-31


Information

What's New

  • 2025/9/4 問題ID: AIF201C003 機械学習における特徴量エンジニアリングの目的に関する問題を加筆・修正しました。
  • 2025/9/3 問題ID: AIF202C007 患者の年齢層に応じた健康相談チャットボットに関する問題を追加しました。
  • 2025/9/1 問題ID: AIF201C008 農作物の収穫最大化に向けた人工知能の技術の応用に関する問題を追加しました。
  • 2025/8/31 AI Practitioner の問題を 30問 追加しました。

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