AWS認定資格 無料問題集

解答・解説

第24問 マイクロサービス・アプリケーションの分析ツール

 あなたは、疎結合アーキテクチャの原則に基づいて、マイクロサービスで構成するアプリケーションを開発しています。これらのマイクロサービスは多数に渡るため、サービス間の依存関係を可視化して、障害時の原因究明やパフォーマンス分析を効率的に進める必要があります。その場合に有用となる AWS サービスを選択してください。

  1. AWS CodeBuild
  2. AWS X-Ray [正しい解答]
  3. AWS Systems Manager
  4. Amazon QuickSight

(問題ID:CLF203C024)

解答

正しい解答:B. AWS X-Ray

△ 判定不能

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徹底解説

 サービス間の依存関係を可視化して、障害時の原因究明やパフォーマンス分析を効率的に進めるために有用なサービスは、AWS X-Ray です。AWS X-Ray はマイクロサービス・アーキテクチャで構築された分散アプリケーションのパフォーマンス分析やデバッグを実施するための分析サービスです。マイクロサービス・アーキテクチャとは、アプリケーションを複数の独立した小さなサービスに分割して開発する手法で、逆に、一体化した単一のアプリケーションを開発する手法をモノリシック・アーキテクチャといいます。これらの各サービス・アーキテクチャの特徴の比較を下表に示します。AWS X-Ray を使用すると、アプリケーションや Amazon EC2(Elastic Compute Cloud)等のリソースの稼働状況を把握して、エラー原因や性能問題を容易に特定できるようになります。アプリケーションに対する要求から応答までの全体的な流れを追跡して、各サービス間の依存関係を可視化することで、障害時の原因究明やパフォーマンス分析を効率的に行えるためです。また、トレース・データを提供してアプリケーションのボトルネックを特定することも可能です。なお、「X-Ray」の日本語訳は「エックス線」です。エックス線が目に見えない内部構造を可視化するように、AWS X-Ray もアプリケーションの内部動作を透視して、詳細な分析や問題点の検出を可能とすることをイメージしているのでしょう。
 その他の選択肢は、マイクロサービス・アーキテクチャで構築された分散アプリケーションの分析やデバッグに利用できるものではありません。AWS CodeBuild は、ソースコードのコンパイル&ビルドとテストを実行して、ソフトウェアパッケージを生成するマネージド型の継続的インテグレーションサービスです。AWS Systems Manager は、システム環境を統合的に管理して、運用作業の自動化やリソース構成を可視化する機能・サービス群の総称です。アプリケーション管理、ノード管理、オペレーション管理や変更管理といったカテゴリに分類された効率化・自動化する様々な機能から構成されています。AWS で利用しているインフラストラクチャを可視化して、制御するためのサービスではありますが、マイクロサービス・アーキテクチャで構築された分散アプリケーションの分析やデバッグに利用できるものではありません。また、Amazon QuickSight は、AWS が Web アプリケーションとして提供する BI(Business Intelligence)サービスです。容易に分析環境を構築・利用することができ、ブラウザから接続することにより、AWS に蓄積されたデータの分析や可視化をすることができるツールです。


Step Up!
 この AWS X-Ray と同じような機能を提供するサービスとしては Amazon CloudWatch が挙げられます。Amazon CloudWatch は、インスタンスのメトリクス(対象サービスのリソース情報)やネットワークの通信状態、アプリケーションを監視することができる統合監視サービスです。ただし、監視の方法は AWS X-Ray とは異なり、サービスのメトリクスを基に統計情報を取得します。また、Amazon CloudWatch Synthetics を使用すると、利用者の疑似的なアクセスをシミュレートするスクリプトを作成できます。このスクリプトで、アプリケーションの可用性やパフォーマンスを監視して、問題がないか確認できます。

問題掲載日:2025-01-03

Information

What's New

  • 2025/5/18 問題ID: CLF202C023 認証情報の安全な運用に関する問題を加筆・修正しました。
  • 2025/5/17 問題ID: CLF301S019 AWS CLI の初期設定時の必要情報に関する問題を加筆・修正しました。
  • 2025/5/16 問題ID: CLF201C046 承認済みテンプレートで制御する AWS リソースの利用に関する問題を追加しました。
  • 2025/5/9 問題ID: CLF201C025 AWS の規模の経済性に関する問題を加筆・修正しました。
  • 2025/5/7 問題ID: CLF204C024 特定の利用者が使用したサービスのコスト情報の取得に関する問題を追加しました。

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